透析患者の検査値ハンドブック


透析患者の検査値ハンドブック
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 第61号 (2001年8月12日発行)

「見慣れた数値の根拠がわかる」という言葉がぴったり当てはまる本をご紹介します。

この本は、雑誌「透析ケア」の1999年6月号に掲載された特集「検査値を読む−私の判定法」を元に加筆、修正された本です。それぞれの検査項目ごとに構成され、検査項目の標準値(健常者、透析患者)と説明、異常値とその原因、検査値から分かることと治療方針、患者さんへの指導のしかたが丁寧に書かれています。大きさも新書などと同じような大きさ(小説の単行本を縦長にしたような大きさ)で、ポケットにもなんとか収まりますし、カバーを取ったら表紙がビニール加工(よく手帳とかになっているような感じ)なので、多少の水しぶきがかかっても大丈夫です。この辺は、臨床現場で使われるということを想定しての配慮だと思います。

しかし、検査項目についての具体的な説明がありません。例えば赤血球・ヘマトクリットの項目であれば、ヘマトクリットは何なのかという説明はなく、エリスロポエチンとの関係や、どこまでヘマトクリットを上昇させればよいか、という所から説明されています。そのため、それらの知識を持っている人には大変重宝しますが、透析初心者は、それらの検査項目が何を示し、どのような働きをしているのかを覚えてから読まれた方がいいと思います。また、検査の内容についてもそれほど多くのスペースを割いていないので、本格的な臨床検査事典と共に活用されると良いでしょう。

この本は読むというよりも、調べるという事典的な使い方をするのが良いと思います。透析患者の検査標準値は、透析全般を扱った書籍に掲載されていることがありますが、種類も少なく、あまり詳しくは載っていません。そのため、この本は大変貴重な一冊となるでしょう。

図書名:透析患者の検査値ハンドブック
著者:斎藤明【監修】
価格:1800円(税抜)
発行所:メディカ出版
ISBN:4-8404-0107-1  bk1 amazon



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