透析室の感情トラブル


血液透析 導入と言われたときから腎移植まで
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 第75号 (2002年1月6日発行)

サイズはA5、総ページ数75。本棚に入っていたら、本と本の間に埋まって、うっかり見落としてしまいます。しかし、狭い背表紙を目一杯に使って書かれたタイトルが、本であるということをかろうじて訴えていました。

この本は透析をはじめたばかりの患者さんや家族向けの一般書です。最初は、絵でみる「血液透析」と題して、腎臓の働きや腎不全の症状、ダイアライザーのことなどを絵で説明しています。これなら普通の本と何ら変わりはないのですが、緊急時の透析からの離脱方法として、血液回路からの離脱方法と、血液ポンプの回し方が絵で紹介されています。文字で軽く紹介している本はありますが、図解でこれだけ詳しく紹介している本はなかったと思います。その後はQ&A方式で透析導入前から導入までの様子や、生活の疑問などが書かれています。そして、最後に腎移植のことについて数ページ書かれています。

ちょっと難点を挙げてみると、白黒のため、見た目の鮮やかさがないので、読書意欲が落ちてしまうことと、絵が硬いので、もうちょっと漫画的にくずした絵の方が親しみやすく、読みやすいとは思います。本も小さめで、文字もそれほど大きくないので、目の不自由な方には読みにくいと思います。

この本の特徴として、本当に導入直後のことと、移植のことしか書かれておらず、長期透析の問題点などについては、ほとんど触れられておりません。腎移植のことを抜かせば、本当に導入直後の専門書となります。腎移植が書かれているというのは、それだけ導入された人が関心を持っているため、そのニーズに応えたのではないかと予想されます。1冊ですべてを網羅するのもいいのですが、このようにターゲットをピンポイントで絞っていく専門書もまた良いのではないのでしょうか。

図書名:血液透析 導入と言われたときから腎移植まで
著者:富野康日己
価格:1000円(税抜)
発行所:保険同人社
ISBN:4-8327-0401-X  bk1 amazon



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